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自動車の未来

x Happy
4 日前
読了時間: 6分

ローマの三つ星レストランで語られた、自動車の未来



ローマの夜。



三つ星レストラン「la strega」には、赤ワインの香りと、


トリュフを添えた小さな前菜の香りが漂っていた。


窓の外には、雨に濡れた石畳。



今夜のお客様は、


自動車メーカー勤務のマルコ、


自動車整備士ルカ、


そして環境工学を研究するジュリア。



話題は、日本のトヨタと、中国の電気自動車だった。



🎼 ① なぜ中国の電気自動車は安いのか



マルコ(自動車メーカー)



「最近、中国の電気自動車は価格競争力があるね。


日本の自動車メーカーにとって、大きな課題になるんじゃないかな」



ルカ(自動車整備士)



「そもそも、ガソリン車にはエンジンが必要だ。


ピストンが上下して、クランクシャフトを回して、


燃料を燃やして動力を生み出す。複雑な機械だよ」



「一方、電気自動車はモーターで車輪を動かす。


ガソリンエンジンも、排気装置も、エンジン用の燃料噴射装置もいらない」



ジュリア(環境工学の研究)



「その違いは大きいわね。


ただし、電気自動車にも高価なバッテリー、


インバーター、制御装置、冷却システムなどが必要よ」



「中国の強みは、モーターだけではないの。


バッテリーの生産規模、部品の供給網、製造の効率化、


そして国内メーカー同士の激しい競争も、価格を下げる要因になっているわ」



マルコ



「つまり、単純に部品が少ないから安いのではない。


電気自動車を安く大量に作れる産業全体の仕組みがあるわけだ」



ルカ



「そうか。車の値段は、技術だけでなく、


どれだけ効率よく作れるかでも決まるんだね」



🎼 ② トヨタの強みは、エンジンだけではない



マルコ



「そこで考えたいのが、トヨタだ。


トヨタの強みは、ガソリンエンジンだけではないんだよ」



ルカ



「【ハイブリッド車の技術】だね。


エンジンとモーターを組み合わせて、走行条件に応じて使い分ける」



マルコ



「そうだ。エンジンが得意な場面ではエンジンを使い、


モーターが効果を発揮する場面では電気の力を利用する。



さらに、減速時のエネルギーを回収して、


バッテリーに蓄える仕組みもある【特許とっているし】」



ジュリア



「トヨタは2019年、モーターや電力制御装置、


車両制御など、電動化に関する約2万3,740件の特許の実施権を、


【一定の条件のもとで】2030年末まで無償提供すると発表したわ」



ルカ



「ガソリン車を作ってきた会社が、電動化の技術も長年磨いてきたということか」



マルコ



「そういうことだ。ハイブリッド技術は、


エンジンとモーターの両方を高い水準で制御する必要がある。


特許だけでなく、設計、製造、品質管理の積み重ねも大切なんだ」



ジュリア



「ただし、ハイブリッド車は電気自動車とは違うわ。


一般的なハイブリッド車はガソリンを使うし、走行中に排気ガスも出る。


プラグインハイブリッド車なら、外部から充電して電気だけで走れる距離もあるのよ」



🎼 ③ 環境に優しいのは、電気自動車だけなのか



ルカ



「でも、環境のことを考えたら、やっぱり電気自動車が一番じゃないのか?」



ジュリア



「電気自動車には、走行中に排気ガスを出さないという大きな利点があるわ。


でも、車を製造する段階や、電気を発電する段階まで考える必要があるの」



「バッテリーの製造にもエネルギーが必要だし、


電気を石炭や天然ガスで作る場合は、発電時に二酸化炭素が排出されることもある。


それでも、車の製造から使用、廃棄までを比較すると、


電気自動車は多くの地域でガソリン車より


温室効果ガスの排出量が少なくなると考えられているわ」



マルコ



♬「【ハイブリッド車も、燃費を改善してガソリンの消費を減らせる。】


だから、環境対策は電気自動車だけで進めるものではないんだ」



ルカ



「なるほど。電気自動車には大きな可能性がある。


でも、ハイブリッド車にも現実的な役割があるということか」



ジュリア



「ええ。大切なのは、どちらかを信じ込むことではなく、


実際の排出量と使用環境を比べることよ」



🎼 ④ (ローマからは遠い国の) 日本の北海道や東北の冬なら、ガソリン車が有利?



ルカ



「それでも、寒い地域ではガソリン車のほうが安心じゃないかな。


北海道や東北の冬は厳しいからね」



マルコ



「ガソリン車はエンジンの熱を暖房に利用できる。


それは利点だ。一方、電気自動車は暖房にも電力を使うため、


寒い時期には走行可能距離が短くなることがある」



ジュリア



「ただし、最近の電気自動車にはヒートポンプ式の暖房や、


走り出す前にバッテリーを温める機能を備えた車もあるわ。


車種によって冬の性能は違うの」



ルカ



「充電設備が少ない地域では、【ガソリン車のほうが使いやすい】場合もあるね」



マルコ



「そのとおり。ただし、寒冷地だから必ずガソリン車が正解というわけでもない。


自宅で充電できるか(??かなり難しいが、、)、


毎日何キロ走るか、


長距離移動が多いか、暖房性能はどうか。


それぞれの暮らしに合わせて選ぶことが大切だ」



ジュリア



「環境性能も、寒冷地での実用性も、車種と使い方によって変わる。


だから、ひとつの基準だけで決めないことね」






🎼 ⑤ トヨタのガソリン車、中国の電気自動車。その心は。



ワインが注ぎ足され、テーブルには、


ヴィオラが用意した仔牛肉の赤ワイン煮込みが運ばれてきた。



三人の話は、いつしか自動車から、ものづくりそのものへと移っていた。



マルコ



「トヨタは、エンジンとモーターを組み合わせる技術を磨いてきた。


一方、中国の電気自動車メーカーは、


バッテリーとモーターを中心とした車を、大規模に、効率よく作る力を伸ばしてきた」



ルカ



「片方は、長年培った技術を組み合わせて燃費や使いやすさを追求する。


もう片方は、電気で動く車の製造コストを下げ、価格競争力を高める」



ジュリア



「でも、トヨタも電気自動車を作っているし、


中国のメーカーもハイブリッド車などを手がけている。


国ごとに技術を分けて考えすぎないことも大切よ」



マルコ



「確かに。これからは、どの会社がエンジンを作れるかだけではなく、


バッテリー、制御技術、ソフトウェア、環境性能、


そして価格まで、総合的な力が問われるだろうね」



ルカ



「では、最後にひとつ。『トヨタのガソリン車、中国の電気自動車。その心は?』」



三人はグラスを置き、少し考えた。



ジュリア



「どちらも、人を目的地へ運ぶための技術。でも、その道のりが違うのね」



マルコ



「では、こう答えよう」



ーーその心は――



「エンジンを磨いてきた知恵と、モーターを安く作る知恵。


どちらも、未来の移動を変える力である」



「そして、どちらが勝つかを決めるのは、


国の名前でも、動力の種類だけでもない。


人々の暮らしに合い、環境への負担を減らし、


納得できる価格で届けられるかどうかだ」



ヴィオラは、最後のデザートをテーブルに置いた。





白い皿の中央には、小さなチョコレートの月。



その下に、文字でこう書かれていた。


【未来を美しくするのは、それをどう使うかの人間です】



ローマの夜は深まり、三人のグラスが静かに触れ合った。



la strega — 技術の違いを知り、未来を選ぶ。




解説


日本人の私としては、


いろいろな自動車メーカーがありますが


【トヨタ自動車】という会社を


そして他の日本の自動車メーカーを


どこよりも


ずっと応援したい気持ちです。


そんな気持ちでお話を書いてみました。


つづく


著作権ここにあり、転載不可

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