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HEAVEN&HELL

x Happy
3 日前
読了時間: 7分

♬天国への階段、それとも自分の足で立つ道♬


解説


🎼『Stairway to Heaven』


🎼AC/DCの『Highway to Hell』の歌を聴きながら、


レストランに来ているお客さまの雑談のお話を書いてみました。


架空の世界をお楽しみください。






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ローマの夜。



三つ星レストラン「la strega」では、


赤ワインのグラスが柔らかな灯りを受けて輝いていた。


窓の外には、静かな月が浮かんでいる。







ある経営者の男性が、料理を口に運びながら話し始めた。



「知り合いに、不動産を買い続けている人がいるんです。


借金は、とうとう100億円。それでも、🎵まだ買い続けているそうです」



向かいの女性が驚いた。「銀行も抵当権をつければ貸すのですね、、、」



「100億円ですか。大きいな、、、


それほど大きな借金をしてまで、なぜ買い続けるのでしょう?」



「不動産が増えると、資産が大きくなる。


銀行から融資を受け、物件を買い、また融資を受ける。


本人にとっては、成功への階段を昇っている感覚なのかもしれません」



その話を聞いていた紳士が、静かに口を開いた。



「レッド・ツェッペリンの『Stairway to Heaven』


天国への階段。


そして、AC/DCの『Highway to Hell』、地獄へのハイウェイ。


今夜は、そんな二つの歌が頭に浮かびますね」



紳士はナプキンの横に、小さく数字を書いた。

  不動産の価値:150億円

 借金:100億円

 差し引きの純資産:50億円

「仮にこういう状態なら、純資産は50億円です。

ただし、不動産の価値が下がったり、【金利が上がったり】

空室が増えたりすれば、状況は変わります。

売りたいときに売れるとも限りません」



女性が尋ねた。



「では、その人が本当に豊かなのかどうかは、何を見ればいいのでしょう?」



「資産の大きさだけでなく、毎月いくら残るのか。

返済にどれほど余裕があるのか。何かが起きても、

暮らしと事業を守れるのか。

そして、買うのをやめても、

自分の人生を続けられるのか」



その言葉に、テーブルが静かになった。


男性が笑った。



「不動産を買っているときは、天国かもしれない。


でも、返済に追われるようになったら、


地獄への道になる可能性もある、と?」



「ええ。ただし、借金が大きいというだけで、


その会社が弱いとは限りません。借りた資金を有効に使い、


十分な収益と返済能力を持っている会社もあります」



紳士はワインをひと口飲み、続けた。



「けれど、私は会社の強さを考えるとき、別のことを大切にしたいのです」



🎼 会社の強さは、借金の大きさでは測れない



「もし、二つの会社があったら、


皆さんはどちらを強い会社だと思いますか?」



紳士は、テーブルに二枚のナプキンを並べた。



A社



* 借金がない。



* 本業で利益を生み出している。



* 手元に資金があり、社員への給与も取引先への支払いもできる。



* 無理に事業を拡大しなくても、安定して経営を続けられる。



B社



* 多額の借金をして事業を拡大している。



* 資産は大きいが、返済や金利の負担も重い。



* 売上が落ちたり、金利が上がったりすると、資金繰りが苦しくなる可能性がある。



女性が答えた。



「私はA社に安心感を覚えます。


誰かにお金を借り続けなくても、


自分たちの力で会社を維持できるのですから」



紳士はうなずいた。



「そうですね。借金がなく、安定して利益を生み出し、


手元に十分な資金を持っている会社は、


非常に強い経営基盤を持っていると言えます。」



「つまり、会社の規模が大きいことと、会社が強いことは違うのですね」



「そのとおりです。建物を何棟持っているか、売上がいくらあるか。


それだけでは、本当の強さは分かりません」



🎼借金がない会社が持つ、見えない財産






そこへ、総料理長ヴィオラが温かなハーブティーを運んできた。



「私たち料理人も、似ているところがあります」



彼女は微笑んだ。



「高価な厨房を持ち、豪華な食材を買い集めることはできます。


でも、それだけで素晴らしいレストランになるわけではありません。


毎日お客様に喜んでいただき、従業員に給与を払い、


仕入れ先にもきちんと支払い、明日も店を開けられること。


それが、店の本当の力です」



男性が尋ねた。



「借金がなければ、景気が悪くなっても耐えやすい?」



「一般的には、そうです。借金の返済に追われなければ、


売上が一時的に落ちても、慌てずに対策を考える余裕が生まれます。


無理に商品を売ったり、不利な条件で資産を手放したりする必要も少なくなります」



紳士が言葉を継いだ。



「そして、借金がない会社には、もう一つの強みがあります」



「何でしょう?」



🎼「選択できる自由です。」



紳士は、窓の外の月を見た。



「良い機会が来たときには投資できる。


危険だと思えば、買わずに待てる。取引先を選べる。


目先の利益のために、会社の信念を曲げなくてもよい。


借金が少なく、資金に余裕があるほど、


経営の選択肢を持ちやすいのです」



🎼それでも、借金はすべて悪なのか



女性が少し考えてから言った。



「でも、借金をして大きく成長する会社もありますよね?」



「もちろんです」



紳士はすぐに答えた。



「借りた資金で工場を建てたり、新しい技術を開発したり、


収益を生む不動産を購入したりする。借りることで、


事業の可能性を広げられる場合があります」



「では、問題は借金そのものではなく、借金との付き合い方なのですね」



「そうです。返済できる見込みがあり、


収益が生まれ、予想外の出来事にも耐えられるなら、


借金は経営の道具になります。


しかし、借りなければ次の借金を返せないような状態になれば、


話は別です」



男性は深くうなずいた。



「不動産を100億円分買ったという話と、


100億円の借金があっても会社が盤石だという話は、


まったく違うわけですね」



「ええ。不動産の価値がいくらあるか、


借金がいくら残っているか、毎月いくらの現金が入って出ていくのか。


それを見なければ、本当の経営状態は分かりません」



🎼 天国への階段を昇らなくてもいい





デザートが運ばれてきた。



金色の三日月が描かれた小さな皿に、繊細なティラミスが盛られている。



紳士は、その皿を眺めながら言った。



「私は、会社が必ず大きくならなければならないとは思いません」



「成長しなくてもいいのですか?」



「もちろん、成長を目指すことは大切です。


ただし、成長することだけが目的になってしまえば、


いつまでも買い続け、借り続け、拡大し続けなければならなくなる」



彼は静かに続けた。



「会社を大きくするために生きるのか。


それとも、会社を長く健全に存続させるために成長するのか。


この違いは大きいと思います」



ヴィオラが微笑んだ。



「料理も同じです。皿を大きくすることより、


料理を良くすることのほうが大切ですから」



♬一同に笑顔が広がった。



そして、紳士は最後にこう言った。



「借金がなく、利益を生み出し、社員を守り、取引先を大切にし、


誰にも無理を強いずに明日も営業できる会社。


それは、派手ではなくても、確かな強さを持った会社です。」



「天国への階段を昇り続けなくてもいいのですね」



女性が言った。



「ええ。高い場所にいることより、


足元がしっかりしていることのほうが大切な場合もあります」



窓の外では、ローマの夜が静かに深まっていた。



借金100億円で、さらに高い階段を昇ろうとする人。



借金をせず、自分たちの力で一歩ずつ歩き続ける会社。



どちらにも、それぞれの事情と経営判断がある。



けれど、会社の価値は、借りたお金の大きさでも、


所有する建物の数でも決まらない。



🎼会社の本当の強さとは、拡大を止めても立っていられること。


誰かに支え続けてもらわなくても、


自分たちの力で明日を迎えられること。



そして、それは会社だけではない。



人間の人生にも、同じことが言えるのかもしれない。



誰より高く昇ることより、自分の足で立っていること。



それこそが、静かで、確かな豊かさなのだ。



本当の豊かさは、高さではなく、足元にある。


ローマの夜がつづいてた。




つづく


著作権ここにあり、転載不可

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