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NovelTIME


🎼人生バランス
レストラン窓に、夜のローマの灯りが映っていた。 白いクロスの上には、赤ワインのグラスが二つ。 焼いたアーティチョークと、 白インゲン豆のピュレを添えた薄いパンが運ばれてきた。 「インターネットで見たの。 一定の収入の職業をいったん中止(辞めて)、 世界一周をしたいっていう20代の人の話」 ステラは、パンを一枚取った。 「若いうちに行きたいんでしょうね」 向かいのキャサリンがうなずいた。 「その気持ちは分かるの。 でも、帰ってきた後はどうするんだろうって、私はそちらを考えてしまう」 「旅の写真には、帰った後の生活までは写らないものね」 「そう。最後晩年は自分の国に戻って暮らす人も多いでしょう。 日本なら公的な医療保険の仕組みもあるし、言葉も通じる。 でも、戻れば生活が全部整うわけではないわよね」 キャサリンは、ワインをひと口飲んだ。 「住む場所も、生活費も必要だしね」 「健康で過ごして、最後はピンピンコロリならいいけれど…… そんなふうになるか、誰にも分からないでしょう」 ステラの声が少し小さくなった。 「病気になるかもしれない。 長く誰かの助けが
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16 時間前


幸せを求めるこころ
幸せを求めて、人は生きています。それが目的です。 そしてそれは昨日とは違う自分に出会うことでもあります。 昨日の自分とは 真逆の心理に、くすっと笑う瞬間が ♬誰にでもあるとおもいます。 それを表にしてみました。 「黄色い惑星のジェラート」じっとしては美しさがわからないジェラート 今日は☝ジェラートの説明です。 その周囲に、ごく細い飴細工を輪のように浮かせて、土星のリングを表現してます。 ジェラートの表面には、金箔ではなく、透明な砂糖の小さな結晶をほんの少し。 キャンドルの光を受けると、ダイヤモンドのようにキラキラします。 バカラのグラスと、この小さな黄色い惑星。 味は、最初に爽やかなレモン。そのあとにサフランのほのかな香り。 最後に少量の白い蜂蜜のやわらかな甘さが残る 「Il Pianeta Giallo(黄色い惑星)」。 そしてスプーンを入れた瞬間、飴のリングがパリンと割れる。 「じっとしていては、その美しさがわからない。」 つづく 著作権ここにあり、転載不可
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3 日前


白龍昇と執事― 新月の不思議な旅
古い屋敷に、執事が暮らしていた。 奥の部屋では家主が暮らしていた。 その屋敷の主人には、不思議なことがあった。 新月と満月の前後になると、決まって体調を崩すことが多かったのである。 満月には眠れなくなり、新月には体が重く、ひどく疲れてしまう。 ある夜、執事は庭に現れた白い竜、白龍昇に尋ねた。 「白龍昇様。月には、人間の体を弱らせる力があるのでしょうか」 龍は静かに答えた。 「月には引力がある。しかし、それが主人の体調不良の原因かどうかは、わからぬ」 「新月と満月には、太陽と月と地球が一直線になると聞きました」 「そのとおり。では、実際に見に行こう」 龍は大きな翼を広げ、執事を背中に乗せた。 二人は夜空へ飛び立った。 🎼太陽と月の間へ 地球はみるみる小さくなり、やがて青い球になった。 「見よ。今日は新月だ」 白龍昇が指さす先には、月があった。 その向こうには、大きな太陽が輝いていた。 「新月には、太陽、月、地球がほぼ一直線に並ぶのだ」 「それで何が起こるのですか?」 「月と太陽の引力によって、海の潮の満ち引きが大きくなりやすい。これを大潮という」
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3 日前


美しい心、動くダイヤモンド、そして挑戦
ローマの夜、La Strega。 遅い時間になり、店内は静かだった。 テーブルには赤ワインと、小さな黄色いジェラート。 向かい合うソフィアとジュリアの間で、 ソフィアの胸元のペンダントが揺れている。 透明な円の中の小さなダイヤモンドは、 身体を動かすたびにころんと転がり、 違う方向から光を受けて輝いた。 「そのダイヤモンド、【落ち着きがない】わね」 ジュリアが言うと、ソフィアは笑った。(ハハハその表現とっても面白いわ♬) 「私みたい?」 「あなたよりは静かよ」 ソフィアはペンダントを指先で軽く揺らした。 「でも、私はこれが好きなの。じっとしていたら見えない光があるから」 ジュリアはワインを一口飲んだ。 「人生もそうかもしれないわね」 「動かなければ、何も始まらない?」 「そう。でも、動けばいいというほど単純でもないと思う」 「どういうこと?」 「『進撃の巨人』を思い出すの」(先日このお話がアメリカで禁書になったの) ソフィアが顔を上げた。 「ああ。自由を求め続けた少年の話ね」 エレンは、壁の外へ行き、自由を得て、敵に勝ち、未来を変えようとした。
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6 日前


麦にも、四季にも、乾杯を
ローマの秋の夜、La Strega。 窓の向こうでは、雨上がりの石畳に街灯がにじんでいた。 ジュリアとフランチェスカの前に、二つのパスタが運ばれてきた。 ポルチーニ茸のタリアテッレ。茸とバラ―の良い香り ジュリアには、ポルチーニ茸のタリアテッレ。 温かな湯気に、茸とバターの香りが重なる。 ポモドーロ(イタリアでトマトという意味) フランチェスカには、スパゲッティ・ポモドーロ。 赤いトマトソースの上に、バジルの葉が一枚、静かに揺れていた。 「日本の金麦が、ビールになったんですって」 ジュリアが言うと、フランチェスカはフォークを止めた。 「私が日本で好きになった、あの金麦?」 「そう。十月六日から、新しい金麦になったの」 「困るわ。あの軽い飲み口が好きだったのに。 ビールになると、苦くて重くなるのかしら」 ジュリアは首をかしげた。 「麦のうまみや飲みごたえは増やしたそうよ。 でも、これまでの味の骨格と、澄んだ後味は大切にしているんですって」 「名前だけ変わったわけではないのね」 「ええ。日本でビールと発泡酒の税率が同じになったのを機に、 麦芽の割合を
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6 日前


水素をためる夜
架空の猫がいる魔女の家 ローマの夜、La Strega。 今日のお客様は、 なにやら水素エネルギーの話をしているようです。 これからのエネルギーについてや、なぜガソリンに代わる話が進んでいないのかなど 疑問をぶつけています。 最初に運ばれてきたのは、 ♬ズッキーニ、アーティチョーク、 花ズッキーニの野菜のフリット。 薄い衣をまとった野菜に、レモンが添えられている。 🎼「太陽光で電気をつくって、余った電気で水を電気分解する。 そこから水素をつくることができる」 🎼「問題は、その水素をどう貯めるかだね」 「方法の一つが水素貯蔵合金。金属の中に水素を取り込ませておくんだ。 ただ、材料や容器、熱交換器まで含めると重くなる」 ☆「だから車には難しい?」 「重量だけじゃない。 大きさ、水素を取り出す速さ、熱の管理も必要になる。 車は軽くて、アクセルを踏めば すぐエネルギーを出せなければならないからね」 ♬次は、ローマらしいカルボナーラ。 卵、ペコリーノ・ロマーノ、グアンチャーレ、黒胡椒。 生クリームは使わない。 「水素化マグネシウムはどうなんだ?」..
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10月5日


2040東京【KK線】
2040年、ローマのLa Strega。 一組の日本人客が、出張の仕事を終えて遅い夕食を楽しんでいた。 テーブルにはキアンティ・クラシコ。 パルミジャーノ、生ハム、オリーブ。 ポルチーニ茸のタリアテッレから、まだ湯気が立っている。 男性がワインを飲みながら言った。 「ローマも歩くと楽しい街だけど、東京もずいぶん変わったよ」 「KK線のこと?」 「そう。僕が八丁堀に住んでいた頃は、あそこは車が走る高速道路だった」 八丁堀から京橋、銀座へ。 仕事へ急ぐ人。 夜遅くまで灯るビル。 高架を流れていく車。 あの頃の東京は、いつも少し急いでいた。 「それが今では、あの高速道路を人が歩いているんだからね」 男性は嬉しそうに笑った。 かつてのKK線には木々が育ち、ベンチが置かれ、人々がゆっくり歩く。 昔は車で通り過ぎるだけだった銀座の景色を、今は立ち止まって眺めることができる。 🎼「日本に帰ったら、朝、散歩するよ♪」 「朝から?」 「ああ。朝の散歩は体にもいいしね。それに、人の少ない時間に歩きたいんだ」 京橋から銀座へ。 緑の中を歩き、ときどき立ち止まる。..
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10月5日


土地の第二の人生(10月10~12)
ローマ、La Strega。 一組のお客様は、2026年festivalの話をしている。 暖炉には小さな火があり、テーブルには冷えたヴェルディッキオ。 焼いたアーティチョークにパルミジャーノが薄く削られていた。 一人の客が言った。 「土地にも、第二の人生があると思う?」 「人間じゃなくて、土地に?」 「東京に面白い場所がある。海の森公園だよ。」 東京湾につくられた埋立地。 かつてそこには、東京から大量のごみなどが運ばれてきた。 しかし、人はその土地を捨てなかった。 土をつくり、苗木を育て、 多くの人々が木を植えた。 長い年月をかけて、 埋立地は緑の森へと姿を変えていった。 「でも、森をつくって終わりじゃないんだ。」 「まだ続きがあるの?」 そこへ、ポルチーニ茸のタリアテッレが運ばれてきた。 男はスマートフォンをテーブルに置いた。 画面にはこう書かれていた。 TOKYO ISLAND 2026 10月10日―12日 海の森公園 「音楽フェス?」 「そう。氣志團、スガ シカオ、OKAMOTO'S、Kroi。それにACIDMAN、KANA-BOON、
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10月4日


ー 地球の体温、大切な瞬間を見つけ出すAIをつくるーー
ローマの夜。 La Stregaの半円形の個室では、暖炉の火が静かに揺れていた。 テーブルにはヴェルディッキオ。 ムラーノのグラスに淡い金色が光る。 客は二人。 画像処理とAIを研究するX教授と、長年の同僚だった。 最初の皿は、帆立のカルパッチョ。 レモン、海塩、オリーブオイル。 同僚が聞いた。 「X、これから何を研究したい?」 教授はグラスを置いた。 「海底だ。」 「深海?」 「もっと大きな話だよ。地球の体温を測りたい。」 同僚が首をかしげた。 教授はナプキンに地球を描いた。 「海は表面だけじゃない。地球が受け取った余分な熱の多くを海が吸収している。 時間はかかるが、その変化は深い海にも伝わっていく。」 「海底まで温度が変わる?」 「場所や深さによって程度も速さも違う。でも変化は起こり得る。」 二皿目は、ポルチーニ茸のタリアテッレ。 教授は話を続けた。 「そして太陽も永遠に同じじゃない。」 「太陽まで?」 「ただし時間を混同してはいけない。 今の地球温暖化の主因は、人間が増やした温室効果ガスだ。 太陽が急に熱くなったからじゃない。」 教授はナプ
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10月3日


時間軸カフェへようこそ♬
黄昏 ラテマキアートとレモンタルト 忙しい毎日から少しだけ離れて、自分のための時間を取り戻しに来ませんか。 美味しい珈琲を飲みたい日。 誰かと静かに話したい日。 ひとりになって、物語を読みたい日。 そして、少しだけ心を遠くへ旅させたい日。 そんな日に訪れてほしいのが、La Strega Cookies & Caféです。 珈琲とスイーツ、そして一篇の物語を味わう、小さなカフェ。 ここでは、少しだけ時間がゆっくり流れます。 この時間だけは、日常を忘れてリラックスしてください。 珈琲はいかがですか。 それとも、やさしいミルクにエスプレッソを重ねたラテ・マキアートを。 La Stregaでは、一杯ずつ丁寧にお作りします。 そのため、少しお時間をいただきます。 でも、ここでは「待つ時間」も大切な時間です。 テーブルに置かれた La Stregaの小さな物語を、一篇読んでお待ちください。 知らない国の話。 科学の話。 人生の話。 そして、ときどき少し不思議な話。 やがて珈琲の香りが届いたころ、 白いレモンクッキーをひとつ。 星は、希望。 鍵穴は、まだ知らな
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10月3日


南イタリアの夕べ・消防署
今週は南イタリア料理のご提供です。 La Stregaには一組のお客様がご予約されています。 高輪の日本最古の現役消防署の話、そしてその近くのがけ崩れのお話、 泉岳寺辺りの 会話をしています。 ちょっと覗いてみましょう・・・・・・。 Rome, nine o’clock at night. In a semicircular private room at La Strega, a small fire flickered in the fireplace. Two Murano wine glasses stood on the table. The maître d’ poured the first wine. Etna Bianco. A white wine from the slopes of Mount Etna in Sicily, with bright acidity and a distinctive mineral character shaped by the volcanic soil. The first dish
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10月3日


白糠から世界へ
北海道・白糠。 冬の朝、雪の向こうから巨大なボーリングマシンの音が聞こえていた。 「ずいぶん地味な学校を選んだな」 友人にはそう言われた。 けれど彼は笑った。 「上を見る仕事はたくさんある。でも、俺は下を見てみたいんだ。地球の下には、まだ知らないものがあるから」 🎼彼が入ったのは、掘削技術を学ぶ専門学校だった。🎼 最初に覚えたのは、派手な技術ではなかった。 ボルトの締め方。 泥水の状態。 地層の読み方。 機械の音の違い。 そして何より、安全確認。 教官は何度も言った。 「掘ることより、無事に帰ってくることのほうが大事だ」 北海道の寒風の中、何度も機械を動かした。 手袋は油で黒くなった。 それでも面白かった。 地面の下には、何百万年という時間が重なっている。 ♪掘削とは、地球の歴史に細い穴を開ける仕事なのだ。 卒業後、彼は日本の掘削会社に入った。 温泉井。 地質調査。 そして地熱井。 現場では学校とは違うことばかりだった。 ある日、ベテラン技術者が機械の音を聞いて言った。 「少し変だな」 計器には、まだ大きな変化はない。 しかし数分後、本当に
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10月2日


フルーツ詰め込んだ太陽のパン、デイツ
ローマの夕暮れ。 アンは今日とどいたドライフルーツのデイツを眺めている。 作業開始。 La Stregaの厨房で、アンはデーツを一粒つまんだ。 「不思議。干し柿みたいに甘い」 シェフのヴィオラが笑った。 「デーツはね、砂糖を足さなくても、とても甘くなるの。木の上で熟して、水分が抜けていくと、果実の糖がぎゅっと濃くなるから」 アンはもう一粒食べた。 「蜂蜜みたいで、黒糖みたいで……少しキャラメルみたい」 「何千年も昔から人が食べてきた果物よ。砂漠では貴重なエネルギー源だった。小さな実だけど、中身はずいぶん濃いの」 するとアンが言った。 「じゃあ、砂漠の人は太陽を食べていたんですね」 ヴィオラは手を止めた。 「……それ、いい表現ね」 その日、アンはパンを焼いた。 刻んだデーツをたっぷり。 イチジク、アプリコット、レーズン、オレンジピール。 さらにクルミとアーモンド。 あまりに具を入れるので、ヴィオラが尋ねた。 「アン、それはパンなの?」 アンは真顔で答えた。 「果物を、パンでつないでいます」 🎼🎼焼き上がったパンを切ると、断面は宝石箱のようだった
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10月2日


しばらくぶりにあった二人
ローマの夜。 La Stregaの半円形の個室で、二人の男が数年ぶりに向かい合っていた。 暖炉には小さな火。 ムラーノのグラスには白ワインが注がれている。 「本当に久しぶりだな」 「何年になる?」 「もう数えないほうがいいよ」 二人は笑った。 「それで、この数年、何をしてた?」 一人がグラスを置いた。 「ちょっと変わった仕事をしてた。トリカブトの選別」 「トリカブト?」 そこへ次の料理が運ばれた。 その言葉を聞いて、近くにいたヴィオラが振り返った。 常連の親しいお客様の場合ヴィオラは珍しく客席にでてくることがある。 ♠「もしかして、Aconite?」 男が驚いた。 「知ってるんですか?」 ♠「もちろん。ヨーロッパにもありますよ。Aconitum。Monkshoodとも呼ばれる、とても毒性の強い植物でしょう?」 「そうです。それです」 友人が目を丸くした。 「世界中にあるのか」 ヴィオラがテーブルのそばまで来た。 「それで、どうしてトリカブトを選別するんです?」 ♠「薬に使うんです」♪ 「薬?」 「日本では、トリカブトの根を適切に加工して毒性を弱め
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10月2日


宇宙は、あなたを試している
ローマは、少し冷たい夜だった。 La Stregaの半円形の個室では、暖炉の火が静かに揺れている。 テーブルの上には、ムラーノのグラス。 今夜はキアンティ・クラシコだった。 男はグラスを持ち上げると、しばらく赤いワインを眺めてから言った。 🎼「昨日は、本当に、、【ひどい一日】だったよ、、つかれたよ」 向かいの客が笑った。 「仕事?」 「仕事なんてものじゃない。 事件だよ」 支配人が小さな皿を置いた。 焼いたアーティチョーク。 パルミジャーノ。 そして、薄く切った生ハム。 「まず、ローマ教皇のフライトがあった」(教皇のためのフライトの準備をする) 「それだけでも大変そうだ」 「次がフェラーリ」 「車の?」 これはイメージ。実際貨物になるので、貨物チームが手配します 「そう。特別なフライトだ。そしてサッカーチームも移動する」 (有名な選手の座席の準備もする)解説するね (チーム関係者の航空便だけの手配の仕事だけど大変なんだよ。 車両や部品は貨物としてその部署のチームに任せるから、、、違うけど) 向かいの客がワインを置いた。 「もう十分じゃないか」
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9月29日


建物からの手紙
著作権ここにあり ローマの夜。 La Stregaの暖炉には、小さな火が入っていた。 半個室に座っていたのは、二人の建築家だった。 テーブルにはキアンティ・クラシコ。 つまみはパルミジャーノ、オリーブ、薄く切った生ハム。 温かい料理はない。 一人がワインを飲みながら言った。 「この前、築50年ほどのSRCの建物を見たんです。 🎼 地下の天井から、白いつららみたいなものが伸びていました」 年上の建築家が頷いた。 🎼「石灰つららだね。 小さな鍾乳洞みたいなものだ」これは、めずらしいよね。。。 鍾乳洞を想像する二人。。。 世界の鍾乳洞は頭から消して・・・・ コンクリートの話に戻るよ・・・・ 「コンクリートなのに?」 「水がコンクリートの中を通って、カルシウム分を運ぶ。 それが外へ染み出し、空気に触れて白い物質として析出する。 それが長く続けば、つららのようになることがある」 「じゃあ、危険な建物ですか?」 「それだけでは決められないよ。 大切なのは、つららを取ることじゃない。 なぜ、そこを水が通っているのかを調べることだ」 建築家はグラスを置いた。
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9月27日


一緒に笑える贅沢さ
La Stregaの半円形の個室には、白いクロスがかけられ、 磨かれた銀器が暖炉の火を小さく映していた。 テーブルを囲んでいるのは、仕事帰りらしいイタリア人の男女三人。 いつもならワインの話から始まる三人だったが、今夜は席に着くなり、 一人の女性がスマートフォンを取り出した。 「今日ね、職場でこんな写真を撮ったの」 画面には、テーブルの上に置かれた二本のペットボトル。 そして、そこには大きな文字で、 「Aiutooo!」 「助けてぇぇ〜!」 向かいの男性が吹き出した。 「何があったんだ?」 「椅子が後ろに傾いたのよ。ほんのちょっとだけ。 でも私、大げさに『助けてぇ!』って叫んだの」 もう一人の女性が笑った。 「それで誰か助けてくれた?」 「それがね……」 彼女は画面を横に滑らせた。 「友達まで椅子を傾けて、『私も。二人とも転んだら、どうなるか見てみたい』って」 「助ける気、ゼロじゃないか」 三人が笑った。 ちょうどそこへ、支配人が料理を運んできた。 「楽しそうですね」 「今日、職場で椅子から転びそうになった話をしていたんです」 支配人は皿を置きな
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9月27日


心の広さが広がる話
ローマ、午後八時半。 La Stregaの半円形の個室には、二人の男が座っていた。 壁際の暖炉には小さな火。 白いクロスの上には銀器と、まだ空のムラーノガラス。 一人がワインリストを眺めながら聞いた。 「結局、君は赤と白、どっちが好きなんだ?」 向かいの男は、すぐには答えなかった。 「料理と一緒なら赤が好きだな」 「じゃあ赤派?」 「いや。ワインだけを飲むなら白のほうが好きだ」 「どんな白?」 「特に好きなのが二つある」 男は指を一本立てた。 「アルザスのリースリング」 「理由は?」 「辛口で酸がきれいだろう。それに、石とか岩を思わせるような感じがある。あの輪郭のはっきりした感じが好きなんだ」 そして二本目。 「もう一つがゲヴュルツトラミネール」 「リースリングに似てる?」 ♬「全然違う。だから面白い」 男は笑った。 「ゲヴュルツトラミネールは、ライチやバラみたいに香りが華やかだろう。 少しスパイスを思わせることもある」 「ずいぶん違う二本だな」 男は頷いた。 「そうなんだよ」 そして、少し考えて言った。 「ゲヴュルツトラミネールは、香りを楽しむ
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9月27日


白から始める赤の夜
ローマ、午後八時。 La Stregaの半円形の個室には、二人の客が向かい合って座っていた。 窓の向こうには、夜のローマ。 雨上がりの石畳に街灯が映り、 壁際の暖炉では薪が静かに燃えている。 白いクロスの上には、磨かれた銀器。 そして二つのムラーノガラスのワイングラス。 一人がワインリストを眺めながら言った。 「君は結局、赤と白、どっちが好きなの?」 向かいの男は、すぐには答えなかった。 「それ、よく聞かれるんだけどね」 「答えられない?」 「いや。料理と一緒なら赤が好きだよ。特に牛肉ならね」 「じゃあ赤じゃないか」 🎼「でも、ワインだけをゆっくり楽しむなら白なんだ」 「へえ」 「ミネラル感のある白が好きなんだよ」 男は少し考えてから続けた。 「例えば、ゲヴュルツトラミネールとか」 ちょうどその言葉を、そばにいた支配人が聞いていた。 支配人が静かに微笑んだ。 「面白いお好みですね」 二人が顔を上げる。 「面白い?」 「ゲヴュルツトラミネールというと、 ライチやバラ、 スパイスのような華やかな香りをまず思い浮かべる方が多いものですから」 男が笑
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9月25日


VERUM・BONUM・PULCHRUM= Truth・Goodness・Beauty(真・善・美)
ローマの夜だった。 石畳には少しだけ雨が残り、街灯の光が細長く映っていた。 La Stregaの扉を開けると、外の湿った空気とはまるで違う世界があった。 白いクロス。 磨かれた銀器。 琥珀色の灯り。 壁際の暖炉では、小さな薪が静かに燃えている。 半円形の個室に、すこし物思いにふけたように 一人の客が座っていた。すこし早く来て、待っていたのか、 メモになにかを書いていた。。。 遅れて、ローマに暮らす男がやってきた。 待っていた一人は、その古い友人だった。 テーブルにはムラーノガラスのグラス。 赤ワインが半分ほど注がれている。 ウェイトレスが最初の皿を置いた。 🍳焼いたアーティチョーク。 白いんげん豆の淡いピュレ。 薄く削ったパルミジャーノ。 二人はしばらく黙って食べた。 ♡やがて一人の客が言った。 「最近、善って何だろうって考えるの」 男はフォークを止めた。 「善?」 ♡「そう。善い人とか、善い行いとか、簡単に言うでしょう」 「うん」 ♡「でも、本当に簡単なのかな」 暖炉の薪が、ぱち、と鳴った。 一人は続けた。 ♡「例えば友人が間違ったこ
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9月21日
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