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la Strega真実は叫ばない①-黒い封筒・人魚の話

x Happy
7月4日
読了時間: 5分

更新日:7月30日

(ここの話は、いつもの La Stregaとは似てますが、


少し違う別のお話です。最後はつながりますので、、、ご心配なく)


『真実は叫ばないという話』の連続のお話です。主人公はアレッシオです)


①から⑫までのお話が完成してますが、すこしつづアップしていきます。


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ローマの夜は、昼とはまるで別の表情を見せる。


石畳を照らす街灯の下を、一人の若い新聞記者、


アレッシオが



歩いていた。


彼が追っているのは、新聞には決して大きく載らない出来事だった。


町では時折、不思議なことが起こる。


古い商店が突然閉まり、新しい店が何事もなかったように開く。


ある会社の社長が、ある日を境に外国へ移住する。


誰も理由を語らない。



「知っていても、口にしないほうがいい。」



年配のバリスタは、エスプレッソを差し出しながら静かに言った。



「この国には昔から、影の中で物事を動かす人たちがいる。」



その言葉だけを残し、彼は話題を変えた。





数日後、アレッシオは故郷である



南イタリアの小さな町を訪れた。



広場では子どもたちがサッカーをし、


おばあさんたちは窓辺から声を掛け合っている。


平和そのものだった。


しかし、古い仕立て屋の主人だけは静かに言った。


「昔はね、店を続けるだけでも勇気が必要だった。」


「困った人がいても警察へ行けない時代があった。」


「だから皆、余計なことは聞かず、余計なことは話さなかった。」



アレッシオはメモ帳を閉じた。



歴史の本には数字しか書かれていない。



けれど、本当の歴史は、人々の沈黙の中にも残っているのだと感じた。



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その夜、ローマへ戻った彼は、小さなレストランで夕食を取った。



前菜は真鯛のカルパッチョ。





オレンジとフェンネルの香りが、


緊張していた心を少しだけ和らげる。


隣の席では年配の男性二人がワインを飲みながら話していた。


「昔に比べれば、この国はずいぶん変わった。」


「法律も強くなったし、勇気を持って立ち向かった裁判官や警察官、


そして証言した市民がいたからだ。」


「だから今は、多くの町で普通の暮らしが守られている。」


グラスが静かに触れ合う。


その音は、小さいけれど確かな希望の音だった。


アレッシオは記事の最後に、こう書いた。


「歴史には光と影がある。しかし、人々が勇気を選び続ける限り、


街は少しずつ明るくなっていく。」



スピリッツを味わいながら、ゆっくり時間が過ぎる。



ローマの夜風は、今日も静かに石畳を吹き抜けていた。 


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アレッシオがホテルへ戻ると、



ホテルの部屋のドアの下に一通の 黒い 封筒が挟まれて


置かれていた。ロビーに電話して確認する、、


ホテルの支配人は電話口でいう


「誰が置いたのか分かりません。


私たち従業員に確認しましたがわかりません。」


封筒には差出人も切手もない。



ホテルの部屋、まず部屋にあるワインを取り出し、グラスに注ぐ、、、


ワインを一口、


「ふう、、、」


そして支配人からうけとった黒い封筒をあけてみた。




中には一枚の紙。




「月の見えない夜、トラステヴェレの古時計を見上げよ。」





それだけだった。月の見えない夜、雲隠れしている。


でも普段は見えない満点の星空や天の川は天にみえていた。







ローマの古い街並みは静まり返り、観光客の姿も少ない。


教会の鐘が十一回鳴る。



アレッシオが古時計を見上げると、時計の針は十一時で止まっていた。


だが、不思議なことに、時計塔の小さな窓だけがゆっくりと開いた。



一羽の白い鳩が夜空へ飛び立つ。




その瞬間だった。


石畳の反対側から、一人の老人が静かに歩いてきた。


''黒い帽子''


に、古びたコート。



「君が記者か。」



老人は名乗らない。


「知りたいのは事件ではない。」


「本当に知るべきなのは、


人々がなぜ沈黙を選ぶのか、


その理由だ。」


老人はポケットから古い銀貨を取り出した。





表には月桂樹。



裏には、鍵穴のような紋章。



「この印を見ても、誰にも聞くな。」


「答えは本ではなく、人の記憶の中にある。」


そう言うと、老人は細い路地へ消えた。


アレッシオが追いかける。



しかし路地の先には、小さな広場があるだけ。




誰もいない。


風だけが、噴水の水面を揺らしていた。




彼は手の中の銀貨を見つめた。




すると中央に、小さな文字が刻まれていることに気付く。




「Veritas non clamat.(真実は叫ばない。)」



その夜、彼は初めて理解した。



真実とは、追いかけるものではない。



静かに耳を澄ませた者だけが、



その存在に気づくものなのだと。




彼は部屋に戻り、銀貨をよく


観察した。










そして翌日の夕方、アレッシオが用事を済ませてホテルに戻ると


フロントには、


送り主のない小さな木箱が届いていた。


【アレッシオ様にお荷物がとどいています、


口元にマスクをつけた黒い帽子の男性がおいていきました。


対応しようとしている途中に立ち去りました、、


だれなのか、、申し訳ございません。わか


りません】




蓋を開けると、中には一枚の古びた地図。


ローマではない。


カプチーノを一口、地図をゆっくり眺める。



南イタリアの海岸線が描かれ、



赤いインクで一つの村だけが丸く囲まれていた。



その村の名は、どの現代の地図にも載っていなかった。 


 『サンタ・ルチア・ベント』




con amore e rispetto




つづく



ー解説ー



南イタリアはティレニア海に面しています、、



ティレニア海の人魚の話(夕暮れの人魚)



船乗りを誘惑して岩礁へ導く人魚や海の精霊の伝説があります。


嵐の夜に美しい歌声が聞こえるという


言い伝えも残っています。


海を守る白い女性の美しい歌声ともいわれています。





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