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LaStrega真実は叫ばない③レモンの花・シチリア ・同じ地図

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7月9日
読了時間: 14分

更新日:7月20日

🎶 レモンの香る島


夜明けの港。


海は鏡のように静かで、朝日が黄金色の道を描いていた。


朝にサンタ ルチア デル ベントの町


をでて


昼くらいにはシチリアに到着したい・・・・と考えていた。


まずヴィラ・サン・ジョバンニまで一時間半、


シチリアまでの交通要衝という土地がら


たくさんの旅行者がここをとおる。



メッシーナ(シチリア北東部)までフェリー30分、



アレッシオは小さなフェリーに乗り込み、南の島へ向かった。


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『(解説、イタリア本土とシチリア島を陸路で結ぶ構想は


♬古代ローマ時代♬からありましたが、


資金などの面で、あまり進んでいませんでした。


メッシーナ海峡大橋予想図は、Webuild社ホームーページに載っています。


日本では株式会社IHIが参画(受注済み)しています♪。2025年)


完成は2032年後期着工から2033完成予定)


この物語では大橋はまだできていないので


フェリーを使います』



このつり橋が2033年完成すると世界で最も長いつり橋になります。






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 二つ目の扉・・・シチリアへ。



船には観光客もいたが、一人だけ黒いスーツ姿の紳士がいた。


彼は新聞を読んでいる。


しかしページは一度もめくられない。


まるで、新聞を読むためではなく、


誰かを待っているかのようだった。





島へ着くと、潮風の中にレモンとジャスミンの香りが漂っていた。


市場では魚が並び、



子どもたちが笑いながら走り回る。




一見すると、ごく普通の港町。


だが、どの店にも共通するものがあった。




入口の片隅に、小さな陶器のレモンが飾られている。



宿の女主人は言った。




「この町では、レモンは幸運のお守りなの。」




そう言って微笑んだが、その目はどこか遠くを見ていた。




夕暮れ。


アレッシオは古い港の防波堤を歩いていた。


波が石に当たり、小さく砕ける音だけが響く。


その時だった。


白髪の老人が釣り糸を垂れながら話しかけた。





「君はローマから来た新聞記者だね。」


アレッシオは驚いた。


「どうして分かったんですか。」


老人は笑った。



「この島では、旅人より先に風がやって来る。」



「風は、いろいろな話を運んでくるんだ。」


老人は一本の古い鍵を箱の中から取り出し、



差し出した。



錆びているが、美しい細工が施されている。



柄の部分には、以前見た銀貨と同じ鍵穴の紋章が刻まれていた。



「え、それを自分が受け取るのでしょうか?」





「この鍵で開く扉は一つだけ。」


「でも、その扉は建物の扉じゃない。」




「では、何を開くのです?」


老人は答えなかった。



ただ水平線を見つめながら、小さくつぶやく。



「人は秘密を守るために沈黙する。」


「しかし、希望を守るためにも沈黙することがある。」


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その夜。



宿へ戻ると、机の上に古い革張りの日記が置かれていた。



誰も部屋へ入った形跡はない。


表紙には年号だけが刻まれている。




1947




最初のページを開く。


そこには、一人の教師が書いた日記だった。


「子どもたちには、恐れることよりも、


人を信じることを教えたい。


町が変わるのは、勇気ある一人からではない。


普通の人が、少しずつ勇気を持つ日から始まる。」







1947年のイタリアは、第二次世界大戦後の国家再建、


国際社会復帰、1月1日にはイタリア共和国として開始、


2月10日にはイタリア平和条約が調印。激動の年だった。


南イタリア、シチリアでは、農村の貧困、


失業,多くの人が海外へ移住という問題をかかえていました。


一方で、地域社会では、家族や親戚の結びつきが強く、


人々は助け合いながら生きていました。



日記にはごく普通の人がどう生きたか、、


そんなことが書かれていました。



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ーー誰かの日記 -------




1947年4月18日


今日は朝から海霧が港を包んでいた。


今日も市場へ行った、港では漁師が笑っていた、


その笑顔がこの町を救うとおもった、、




鐘の音だけが町中に響き、人々はいつものように市場へ向かった。


魚は昨日より少ない。


パンも配給が十分ではない。


それでも、誰も空ばかり見上げてはいなかった。


下を向けば石畳があり、前を向けば今日という一日がある。


それだけで歩く理由には十分なのだと、自分に言い聞かせた。


市場で野菜を売るマリアは、笑顔を忘れない。



「今日はレモンがよく香るわ。」


そう言って、小さなレモンを一つ私に渡してくれた。


こんな時代でも、人は誰かに何かを分け与えようとする。


その優しさは、お金では測れない。


昼になると、港では漁師たちの笑い声が聞こえた。


網には大漁とは言えない魚しか入っていなかった。


それでも、誰かが冗談を言うと皆が笑う。


私は思った。


『町は、魚の数ではなく、人々の笑顔で生きているのかもしれない。』


夕方、教会へ立ち寄った。


祭壇の前には、一輪の白いレモンの花が飾られていた。


派手ではない。


けれど、その小さな白い花は、不思議なほど力強く見えた。


花は、明日がどうなるのか知らない。


それでも今日、静かに咲いている。


私は、その姿に励まされた。


夜になると、不安はまた胸へ戻ってくる。


明日は仕事があるだろうか。


家族は元気でいられるだろうか。


この国は本当に立ち直るのだろうか。


答えは誰にも分からない。


それでも、今日一日を振り返ると、私は一つだけ確かなことを見つけた。


市場で笑う人。


港で働く人。


教会で祈る人。


皆、それぞれの場所で今日を生きていた。


希望とは、大きな奇跡ではない。


不安を抱えたままでも、明日を迎えようとする心なのだ。


だから私は、この日記を書き続ける。



いつの日か、この町を訪れる誰かが読んだとき、


「あの時代にも、静かに未来を信じて生きた人がいた。」


そう思ってくれたなら、それだけで十分だ。


そして今日、日記の最後に一行だけ記しておく。


「静けさは、恐れだけでは生まれない。」 

 

1947年4月18日


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ページをめくるたび、


そこには市場の人々、漁師、パン職人、教師、医師……


名もない人々の、小さな親切や支え合いが綴られていた。


アレッシオは気づく。







彼が追っていた「影」の歴史の隣には、決して語られない


「光」の歴史が、ずっと存在していたのだ。


そして日記の最後のには、一枚の押し花が挟まれていた。





レモンの白い花だった。時代とともに白い花は黄ばんでいた。


意思があらわれたように強い感じで


たった一文だけ記されていた。



闇は人を黙らせることができても記憶までけすことは出来ない。
闇は人を黙らせることができても記憶までけすことは出来ない。




「闇は人を黙らせることができても、


記憶まで消すことはできない。」


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アレッシオは静かに本を閉じた。


窓の外では、港の灯台がゆっくりと回り続けている。


その光は、暗い海を照らすだけではない。


長い年月を越えて、人々の記憶を照らし続けているように思えた。


彼はまだ知らなかった。



この日記を書いた 教師の孫が、翌朝、彼の前に現れることを。


そして、その出会いが、この長い旅の中で最も大きな転機になることを。 


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🎶

田舎町では村人ではない アレッシオどこに泊まっているか、


すぐに噂になっていた。



翌朝。


港には青い空が広がり、漁船がゆっくりと戻ってきていた。




宿の扉をノックする音が聞こえる。




開けると、一人の若い女性が立っていた。


年は三十歳ほど。



黒髪を後ろで束ね、白いリネンのシャツを着ている。



「あなたがアレッシオさんですね。」



穏やかな声だった。




「私はエレナ。」


 『エレナ、、、、』


「昨日、あなたが読んでいた日記を書いた その中の一人の教師は、


私の祖父です。」





エレナは村の小さな図書館へ案内した。


そこは教会の隣に建つ石造りの建物で、本よりも古い箱が多く並んでいる。


「ここには、本にならなかった歴史があります。」


彼女は棚から一冊の分厚い帳面を取り出した。


そこには、何十年にもわたり、


この島で生まれた子どもたちの名前が書かれていた。


名前の横には、必ず短い言葉が添えられている。


「勇気」


「誠実」


「希望」


「思いやり」


「なぜ一人ひとりに?」


とアレッシオが尋ねると、エレナは微笑んだ。


「祖父は言っていました。」



『人は名前より先に、生き方を覚えてほしい。』



昼になると、二人は高台の灯台へ向かった。


そこには、


八十代と思われる灯台守が一人いた。





彼は毎日、昼でも灯台を磨いているという。


「昼なのに灯りは必要ですか?」


アレッシオが尋ねると、老人は笑った。


「灯りは、夜のためだけに磨くんじゃない。」


「毎日手入れをしているから、必要な夜に光るんだ。」


その言葉は、まるで人生そのものを語っているようだった。


夕方。


エレナはアレッシオを灯台の地下へ案内した。



そこには、海図や古い航海日誌が並んでいる。




一番奥の壁に、小さな木箱が埋め込まれていた。



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「白髪の釣り糸を垂らした男性から



『鍵』を受け取りましたか?」




エレナの言葉にハットした。


♬小さい村は、


町中に彼のことがひろがっていた。




彼はポケットから


すぐに鍵をとりだした。




なんだか、、、不思議なことばかり続く毎日に、


疲れていたアレッシオは早く


ホテルにもどりたかった。





🎶アレッシオは、港で老人から受け取った古い鍵を取り出す。




鍵穴に差し込むと、静かな音を立てて箱が開いた。


中に入っていたのは宝石でも金貨でもない。



一冊の薄いノートだった。



最初のページには、たった一文。



「未来へ渡すものは、財産ではなく勇気である。」


ページをめくると、何十人もの署名が並んでいる。


漁師。


教師。


医師。


パン職人。


花屋。


警察官。


修道女。


誰も有名ではない。




しかし、それぞれが町のために何かを守り続けた人たちだった。




最後のページだけは空白だった。



エレナは静かに言う。



「教師の祖父は、この最後のページは


未来の人のために残したそうです。」



「未来の人?」


「ええ。」


「名前を書くためではありません。」




「これから先、この町をどんな場所にしたいかを書くためです。」


アレッシオはペンを手に取る。




しばらく考えた後、静かに一行だけ書いた。


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『恐れよりも、希望が語り継がれる町でありますように。』



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窓の外では、夕陽がシチリアの海をオレンジ色に染めていた。



その光を見つめながらエレナはつぶやく。



「祖父はよく言っていました。」



「影は、光があるから生まれる。」



「だから、人は影ばかりを見るのではなく、


光を守ることを忘れてはいけない、と。」



アレッシオはノートを静かに閉じた。



彼の旅は、事件を追う旅ではなくなっていた。



🎶それは、イタリア各地に残る「名もなき人々の勇気」を


集める旅へと変わり始めていた。



そして、その旅の次の目的地には、



一枚の古い地図に小さく記された



名があった。



「ラ・ストレーガ」La Strega



そこは南イタリア。


南イタリアの LaStregaの真実、、、



地図には名称が 


記されているだけだったが、



エレナは意味深く微笑んだ。



エレナは何もかも知っている風だった。

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次の日、エレナと会う約束をした。



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シチリアの正午は、柔らかな潮風に包まれていた。


アレッシオは、小さな港町の『食堂』へ案内された。


白い壁。


青い木製の窓。


店先には鉢植えのレモンの木が並び、


店の奥からオリーブオイルと焼きたてのパンの香りが漂ってくる。


テーブルにはエレナが座っていた。


「おはようございます、


また


やっと会えましたね。」


やっと   


という意味には深い意味があった、、、



人は出会う時期がこないと


出会うことができない。



必然と偶然、偶然と必然。


(アレッシオは二つ目の扉・・・これが二つ目の扉という意味・・エレナと会う事、と悟った)




その笑顔は、まだ見ぬ誰かにによく似ていた。



最初の一皿は、



カポナータ。






茄子、トマト、セロリ、オリーブ、ケッパーをゆっくり煮込み、


ほんのり甘酸っぱく仕上げた、シチリアの家庭料理。



「これは、私の祖母から教わった味にとても似ています。」



エレナはそう言って微笑んだ。


続いて運ばれてきたのは、


メカジキのインボルティーニ。

メカジキのインボルティー二
メカジキのインボルティー二


炭火で香ばしく焼かれたメカジキの中には、


パン粉、松の実、レーズン、イタリアンパセリ。


仕上げにレモンが軽く搾られている。


「海も畑も、同じ食卓に並ぶ。」


「それがシチリアなんです。」


最後は、


カンノーロと小さなエスプレッソ。





静かな時間が流れる。


そのときだった。


エレナは革の鞄から、一枚の古びた地図を取り出した。


アレッシオは思わず息をのむ。


「それは……。」


彼も胸ポケットから、同じように折り畳まれた地図を取り出した。


紙の色も、


折り目も、


小さく書かれた印も、


驚くほどよく似ている。


「どうして……。」


「あなたも持っているのですか。」



エレナは静かにうなずいた。



「ええ。」



「でも、これは偶然ではありません。」



彼女は地図をテーブルの中央に広げた。


二枚を重ねる。


すると、一枚だけでは途切れていた細い線が、ぴたりとつながった。


アレッシオは驚く。


「一枚では完成しない……。」


「そうです。」


エレナは静かに言った。


「この地図は、最初から二枚で一つになるよう作られていたのです。」


「祖母マリアは言っていました。」


『真実は、一人では見つけられない。』


『誰かを信じて初めて、地図は完成する。』


「では、あなたは最初から私を知っていたのですか。」


エレナは首を横に振る。


「いいえ。」


「私も祖母から一枚だけ預かりました。」


「そして、こう言われたのです。」


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『いつか、もう一枚を持つ旅人が現れる。』


『その人には、恐れではなく、人を信じる心がある。』


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エレナは、小さな布袋から陶器のレモンを取り出す。



アレッシオはエレナの持つそのレモンを



注意深く眺めた。。。





「祖母は言いました。」


「あなたが ’未来にいつか、、持つレモン’’


は『旅人』の印。」



『未来に?僕は・・そのレモンを持つ?持たされる?プレゼントされる?』



「私のレモンは『待つ人』の印。」


「二つが出会う時、次の扉が開くのです。」







窓の外では、夕陽がシチリアの海を黄金色に染めていた。


アレッシオは地図を見つめながら、小さく微笑んだ。


「私は、答えを探すために旅をしてきたと思っていました。」


エレナは静かに首を振る。


「違います。」


「あなたは、答えを一緒に見つける人に会うために、


この島へ来たのです。」


二枚の古い地図は、静かに一つになっていた。


その中心には、小さなレモンの花の印が、



まるで未来への道しるべのように描かれていた。 



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エレナは古びた地図を静かに机へ広げた。


赤いインクで囲まれているのは、一つの町だけ。



カラブリア州のTropea。







アレッシオは地図を見つめた。


「では、次はこの町へ行けばいいのですね。」


エレナはゆっくり首を横に振った。




「いいえ。」




「その地図が示しているのは、旅の終着点です。」




彼女は地図の端を指先でなぞる。


「旅には、地図に載らない場所があります。」


「人から人へしか伝わらない場所。」


「その一つが、あの場所(レストラン)なのです。」


アレッシオは少し考えた。


「でも、地図には載っていません。」


「ええ。」


エレナは微笑んだ。


「だからこそ、誰かがあなたを導かなければ、たどり着けないのです。」


「レストランは目的地ではありません。」




「あなたが次の扉を開くための場所です。」




「そして、その扉を開いた人だけが、最後にTropeaへ向かう資格を得ます。」




アレッシオは静かに尋ねた。


「あなたは、どうしてその店を知っているのですか。」


エレナは少しだけ窓の外を見つめた。





夕暮れの空が、オレンジ色の光に染まり始めている。


「私の父は、戦後間もない頃、あの店のローマの厨房で働いていました。」


「料理人ではありません。」


「毎朝、野菜や魚を運び、最後に床を掃除する仕事でした。」


「父はよく言っていました。」


『あの店では、料理だけではなく、人の人生も静かに受け止めていた。』



「幼い頃、私は父に連れられて店の裏口へ行ったことがあります。」


「客席には入れませんでしたが、厨房から漂う香りと、静かに語り合う人たちの声だけは、

今でも忘れられません。」


エレナは小さく笑う。



「だから私は知っているのです。」



「La Stregaは、


料理を食べるためだけの店ではないことを。」



「誰かの人生が、少しだけ前へ進むための場所だということを。」



con amore e rispetto

(愛情と尊敬をこめて)



つづく





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解説


1947年(昭和22年)の日本は、


GHQの占領下で民主化と新国が本格的に進み、


5月3日には日本国憲法が施行、


教育基本法、労働基準法なども整備されました。


第一次ベビーブームで人口増加時代にはいりました。


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