Novel Bar
- x Happy
- 4月29日
- 読了時間: 2分

四月のやわらかな夜。
路地裏の奥にひっそりと灯る――「ノベルバー」。
扉を開けると、カラン、とガラスの鈴の音。
カウンターの向こうには、いつものようにNovel barのアリスが立っていました。
「いらっしゃいませ。今日はどんな“物語”をお探し?」
そこへ現れたのは、少し頬を赤らめたお客様。
すでにお客様はここのBarは
二件目だったらしい。
「……トマトジュースが好きでね。できれば、それを使った面白いお酒を」
アリスはくすりと微笑みます。
「まあ、それは素敵。トマトはただの野菜じゃないの。
昼は太陽の記憶、夜はワインの夢になるのよ」
「へえ……そんな言い方、初めて聞いた」
「では今夜は、“赤い夢のカクテル”をいくつかご案内するわ」

グラスをくるりと回しながら、アリスは軽やかに語り始めました。
アリスのおすすめ・トマトカクテルたち
① ブラッディ・メアリー(定番の魔法)
「これは“少し大人の物語”ね」
材料
トマトジュース:120ml
ウォッカ:40ml
レモン汁:小さじ1
塩・黒胡椒:少々
タバスコ:数滴
ウスターソース:少々
作り方
グラスに氷を入れる
材料をすべて入れて軽く混ぜる
セロリを添えると雰囲気アップ
「ピリッとした刺激が、物語のスパイスになるのよ」
② レッド・サンセット(優しい夕暮れ)
「これはね、ちょっとロマンチック」
材料
トマトジュース:100ml
オレンジジュース:50ml
ウォッカ:30ml
はちみつ:小さじ1
作り方
シェーカーで軽くシェイク
氷を入れたグラスに注ぐ
「夕焼けみたいにやさしい味。飲むと心がほどけるわ」
③ トマト・スプリッツァー(軽やかな泡)
「おしゃべりが弾む夜にはこれ」
材料
トマトジュース:80ml
白ワイン:80ml
炭酸水:40ml
塩ひとつまみ
作り方
ワイングラスに氷
材料を順番に注ぐだけ
「泡はね、会話を連れてくるの」
④ アリスの気まぐれカクテル(秘密の一杯)
アリスは最後に、小さな瓶を取り出しました。
「これはね、今夜だけの特別」
材料
トマトジュース:100ml
ジン:30ml
バジル:2枚
レモンピール:少し
作り方
バジルを軽く潰して香りを出す
すべてをシェイク
冷えたグラスに注ぐ
「ハーブの香りが、現実と夢の境目を曖昧にするのよ」
お客様はグラスを手に取り、ひと口。
「……すごい。トマトなのに、まるで違う世界だ」
アリスはにっこり笑います。
「飲み物ってね、“素材”じゃなくて“物語”なの」
「じゃあ、これはどんな物語?」
「それは――あなたが決めるの」
グラスの赤は、まるで夜に溶けていく夕焼けのようでした。
そしてその夜、お客様は少しだけ現実を忘れて、
トマトの夢の中へと迷い込んでいったのでした。


