「アリス カーグ島に急ぐ」
- 歯科25City
- 3月31日
- 読了時間: 3分
ある晴れた午後、アリスはいつものように庭で本を読んでいました。
すると、白ウサギが慌てて駆け寄ってきて、こう叫びました。
「急げ、アリス! カーグ島の石油が全部なくなってしまったんだ!
みんな大騒ぎだよ!」
アリスが「えっ、石油?」と首をかしげた瞬間、
ウサギは地面に開いた穴に飛び込みました。
アリスも後を追って飛び込むと、そこはいつもの不思議の国ではなく、
青い海に囲まれた小さな島――カーグ島でした。
島に着くと、奇妙な光景が広がっていました。
木々は全部油でべっとり光り、地面はつるつる滑って歩けません。
動物たちはみんな頭を抱えています。
「困った困った! 石油が全部海に流れ出てしまったんだ!」
と、眼鏡をかけたタコの王様が嘆きました。
「これじゃお茶会も開けないし、灯りもつけられない。
島の時計が全部止まっちゃうよ!」

アリスは不思議そうに言いました。
「石油問題って、ただの油の話? それとも魔法の油?」
すると、島の住人たちが一斉に答えました。
「両方だ! カーグ島の石油は、飲むと『時間を滑る』不思議な石油なんだ。
でも今、全部海に流れて、島の時間が止まってるんだよ!」
アリスは小さくため息をつきました。
「ふーん、相変わらず意味がわからないけど……解決してあげましょうか。」
まずアリスは、ウサギから借りた「縮む薬」を飲み、石油の海に潜りました。
海の中は巨大な石油の怪物(名前は「ブラック・スライム」)がうねうねと暴れていました。
アリスは怪物に向かって、いつものように堂々と話しかけました。
「ねえ、あなた。石油を独り占めしてどうするの?
みんなが困ってるのよ。分けてあげたら?」
怪物はびっくりして、
「分ける? そんなこと考えたこともない!
だって石油は滑って気持ちいいんだもん!」
アリスはにっこり笑って、ポケットから取り出した
「成長ケーキ」を怪物に差し出しました。
「これを食べたら、もっと大きくて気持ちいい滑り方ができるわよ。
でもその代わり、石油を島に全部返して。」
怪物はケーキをぱくぱく食べ、みるみる巨大化しました。
そして嬉しそうに体をくねらせながら、
「わかった! 全部返すよ! これで世界一大きな滑り台になれる!」
怪物が体をくねらせた瞬間、石油はまるで虹のように空に舞い上がり、
島中の井戸やランプ、時計の中に吸い込まれていきました。
島は一瞬で明るくなり、時計がカチカチと動き出しました。
タコの王様が大喜びでアリスを抱き上げました。
「アリス、君は天才だ! これでまたお茶会ができる!」
アリスは笑いながら言いました。
「石油問題なんて、結局『分ける』ことと
『滑る気持ちよさ』をわかれば解決するのね。
不思議の国って、どこに行っても理屈が変よね。」
その夜、カーグ島では盛大なお茶会が開かれました。
アリスは紅茶に少しだけ石油を垂らして飲み、
「うーん、ちょっと滑る味がする……」と笑いました。
白ウサギが時計をチラチラ見ながら、
「そろそろ家に帰らないと、お母さんに怒られるよ!」
アリスは頷いて、
「またいつか、別の問題が起きたら呼んでね。
次はもっと面白い解決方法を考えるわ。」
そう言って、アリスはウサギの穴から元の庭に戻りました。
夕陽が沈む中、アリスは本を閉じて、
「カーグ島の石油、意外と甘かったわね……」
と、ひとりごちました。
おしまい。


