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『③白龍昇・7つの伝説』

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8月15日
読了時間: 5分

ー出生の秘密ーーー


🎼父は 白嶺(はくれい)。


天に近い雪山に棲んでいた巨大な白龍で、風・雲・雷を操る龍。

ほとんど人間の前には姿を現さず、何百年も山頂から世界を見ていたといわれます。

白龍昇の「空高く昇る力」と「恐れながらも進む強さ」は父から受け継ぎました。


🎼母は 月華(げっか)。


月夜にだけ姿を現した銀白色の龍です。争うことを好まず、

水や雨、生命を守る力を持っていました。月の光を身体に取り込み、

それを力へ変えることができた――白龍昇が【月や星の光を食べられる理由】は、

母から受け継いだものです。


そして白龍昇が生まれた夜には、こんな伝説が残っています。


満月の夜だった。


雪山の頂で白嶺が空を見上げていると、雲が二つに割れた。


そこから月華が降りてきた。


その夜、雪山には雪ではなく、細かな金色の光が降ったという。


夜明け前、一頭の小さな白龍が生まれた。


身体は雪のように白く、額の鱗だけが淡い金色に光っていた。


父・白嶺は、その子をじっと見て言った。


「この子は山には留まらぬ。」


月華が尋ねた。


「では、どこへ?」


白嶺は空を見上げた。


「もっと上だ。」


「雲の上?」


「もっと上だ。」


「月まで?」


父は首を横に振った。


「星の向こうまで行くだろう。」


それが、のちに白龍昇と呼ばれる龍だった。


そして何千年も後――父の言葉どおり、白龍昇は

♪黒い燕尾服の妙な人間♪を背中に乗せ(笑)、

月を越え、火星を越え、

木星を恐れて少し遠回りし、

土星、天王星、海王星へと飛んでいくことになります。



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 7つの伝説


①千年の旱魃(干ばつ)に雨を降らせた・・


昔、大地から川が消え、人々が水を求めて争い始めたとき、


白龍昇は七日七晩、海から雲を運び続けました。


そして山脈の上で身体を大きく旋回させ、


雲を雨へ変えた。


その雨によって川が戻り、争いも終わったと伝えられています。






②海に沈みかけた村を一晩守った


大津波が沿岸の村へ迫った夜、白龍昇は海と村の間に巨大な身体を横たえました。


波は龍の身体にぶつかり、二つに割れた。


朝、人々が浜へ出ると白龍はいなくなっていて、


砂浜には一枚の白い鱗だけが残っていました。





③月の光を地上へ取り戻した


ある時代、厚い雲が何年も空を覆い、


人々は月を見ることができなくなりました。


白龍昇は雲より高いところまで昇り、


月の光を身体いっぱいに吸収した。


そして地上へ戻り、白い鱗から少しずつ光を放った。


それが「白龍は月の光を食べる」という伝説の始まりです。

月の光
月の光


④星の光も力に変えた


白龍昇が最も遠くまで旅したとき、


地球も太陽も見えない暗い宇宙で力を失いかけました。


そのとき白龍は、無数の星から届くわずかな光を一筋ずつ身体へ集めた。


星の光が白い鱗を伝い、やがて黄金の光となった。


それ以来、白龍昇は♪「星が一つでも輝いている限り、


飛び続けることのできる龍」♪と


呼ばれるようになりました。



⑤戦争を一度だけ止めた


白龍昇は、人間同士の争いにはほとんど介入しません。


しかし一度だけ、二つの国が大軍を向かい合わせた夜、


両軍の間へ降り立ったことがあります。


白龍は誰も攻撃しなかった。


ただ巨大な身体を横たえ、

朝まで動かなかった。


どちらの軍も龍を越えて進むことができず、


兵士たちは夜明けまで待った。


朝になると、白龍昇は空へ消えた。


不思議なことに、その日、最初に武器を取る者はいなかった。


その伝説には、こんな言葉が残っています。


「白龍昇は戦争に勝ってはいない。戦争を始めさせなかった。」



⑥老人を空へ連れていった


これは白龍昇の伝説の中でも、少し違う話です。


生涯、海辺の小さな村から一度も出なかった老人がいました。


老人には一つだけ心残りがあった。

「自分が一生暮らした場所を、遠くから見てみたかった」


その夜、白龍昇が現れました。


老人を背中に乗せ、雲の上まで連れていった。


老人は初めて、自分の村と海と山を一度に眺めました。


「こんなに小さなところで、私は一生を過ごしたのか」


老人は笑った。


白龍昇は答えた。


♪「小さいことと、価値がないことは違う。」♪


翌朝、老人は自分の家の布団で静かに目を覚ました(^^♪――という伝説です。





⑦そして、執事を宇宙へ連れていった。


これは伝説の中では、ずっと新しい出来事。


黒い燕尾服の執事が白龍昇に尋ねました。


「人はいつか地球にさよならしなければなりません。


それなら、その前に地球を外から見ておきたいと思いませんか」


白龍昇は、その言葉を気に入りました。


執事を背中に乗せ、真上へ昇った。


雲を越え、大気を越え、宇宙へ。


そして二人は、青い地球を振り返った。


執事は長い間黙ったあと、ただ一言、


「美しいですね」と言った。


白龍昇は答えました。



🎵「だから私は、何千年もここへ帰ってくる。」


解説

最後の言葉が、白龍昇という龍の本質。


白龍昇は地球に縛られているわけではありません。


月へも、惑星へも、星々の彼方へも行ける。


それでも最後には地球へ戻ってくる。


そして雲の水を飲み、白桃を食べる。


宇宙を知っている龍だからこそ、


地球の美しさを一番よく知っている。 















和室にて
和室にて


つづく


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