ある男性の1日
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- 4月26日
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更新日:4月27日
彼はその日、朝からずっと机に向かっていた。
行き先は、ローマ と ミラノ。
ふたつの都市をつなぐ、飛行機会社の事務作業を、たった一人で抱えていたのだ。

窓の外では、春の光が静かに差し込んでいる。
けれど彼のデスクの上には、光とは正反対のものが積み重なっていた。
運航スケジュールの調整。
座席の振り分け。
遅延に関する問い合わせ対応。
さらに、ローマ便とミラノ便、それぞれの細かな変更指示。
「同じイタリアでも、こんなに違うのか……」
ローマ行きの便は観光客が多く、細やかな配慮が求められる。
一方、ミラノ行きはビジネス客が中心で、時間の正確さが命だ。
その違いを一つひとつ理解しながら、
彼はパソコンの画面と書類の山を行き来する。
昼を過ぎても、彼は席を立たなかった。
コーヒーはすでに冷え、
肩は石のように固まり、
目の奥にはじんわりとした重さが溜まっていく。
それでも手は止めない。
ローマの乗客リストにミスがないか確認し、
ミラノの便の遅延連絡を送信し、
次々と押し寄せる業務を、ただ静かに、確実に片付けていく。
夕方。
最後の「送信完了」の表示が画面に現れたとき、
彼はようやく背もたれに体を預けた。
ふう、と小さく息が漏れる。
その一息には、
一日分の疲れと、責任をやり遂げた重みが混ざっていた。
「今日は、よくやったな……」
誰に言うでもなく、そうつぶやく。
ローマとミラノ。
二つの都市をつなぐ仕事を、
たった一人で支えた一日。
静かな達成感と引き換えに、
彼の体には、ずっしりとした疲れが残っていた。
それでも彼は、
どこか満たされた表情で、ゆっくりと席を立つ。
明日もまた、空はつながっているのだから。
つづく、、、、
解説
航空会社に勤務の男性のお話を書いてみました。


