~スペイン音大進学の道~
- 歯科25City
- 3月31日
- 読了時間: 4分
~スペイン音楽大学の声歌試験~

不思議の国のアリスは、いつものように白ウサギを追いかけて穴に落ちたはずが、
気がつくとスペインの陽光が差し込む古い石造りの建物の中に立っていた。
扉には金色の文字で「Real Conservatorio Superior de Música – Departamento de Canto(王立高等音楽院 声歌学科)」と書かれている。
「ここは試験会場? 私、歌が上手くなりたいんだけど……」
アリスは青いエプロンドレスを直し、ポケットに何か入っていることに
気が付いた。
中を探ってみると、鍵、、、
ポケットから小さな鍵束を取り出した。
その時
鍵の一つがピカピカと光ったので
試験室のドアを開けた。
中は厳かなホール。審査員は3人——厳つい髭の教授(声楽科長)、
眼鏡をかけた女性ピアニスト、そして白衣を着た耳鼻科医のような先生。
壁にはモーツァルトやビゼーの肖像画が並び、
スペインらしい情熱的なフラメンコのギターも飾られている。
「次の方、どうぞ。アリス・プレザンス・リデルさんですね。
声歌学科の入学試験です。まずは実技から。」
教授がスペイン語で言ったが、アリスにはなぜか英語と混じって聞こえた。
アリスは深呼吸。
課題はモーツァルトのアリア「Voi che sapete」(フィガロの結婚から)と、スペイン歌曲の一曲「La Paloma」。暗譜で原語で歌うこと。
彼女はウサギの穴で練習したつもりだったが、声が少し震えた。
歌い終わると、教授が頷く。
「技術はまあまあ。次は新曲視唱。こちらの楽譜を見て、
即興で歌ってください。」
アリスは楽譜を受け取り、
クイーン・オブ・ハーツのメロディのような奇妙な曲を視唱した。
音程は少し狂ったが、表現力は抜群。
「不思議だわ、音符が踊ってるみたい!」
そして、面接の時間。
「あなたの声の健康状態を確認します。声歌学科では、喉の状態を直接見せていただくのが伝統です。声帯の柔軟性や発声器官の異常がないか、専門医がチェックします。」
アリスは少しびっくり。
「喉を見せるの? ここで?」
白衣の先生が優しく微笑み、小さなライトと鏡のような器具(喉頭鏡)を準備した。
「大丈夫、痛くありませんよ。ただ口を大きく開けて『アー』と言ってください。スペインの声楽家は、声の『不思議の国』をしっかり理解する必要がありますから。」
「アーーーーーー」
アリスは椅子に座り、口を大きく開けた。先生がライトを当てて喉の奥を覗き込む。声帯がピンク色に輝き、まるで赤い女王の薔薇のよう。
「ふむ、声帯はよく動く。共鳴腔も広い。でも、少し緊張で締まっているね。
不思議の国から来ただけあって、声に魔法がかかっているようだ。」
教授が笑った。
「合格です。アリスさん、あなたの声は『不思議』そのもの。技術を磨けば、素晴らしいソプラノになれる。入学おめでとう!」
アリスは飛び上がって喜んだ。
「やったわ! でも、喉を見せるなんて、チェシャ猫みたいに笑っちゃう!」
青いドレスでリサイタルを開く話
数ヶ月後。アリスは音楽院の学生になり、
毎日レッスンに励んだ。スペインの先生たちは情熱的で、
「歌は心の炎だ!」と教えてくれた。
喉のチェックも定期的にあり、アリスは
自分の声帯がどんどん強くなるのを感じた。
そして、初のリサイタル。
会場は音楽院の小さなホール「Sala Azul(青の間)」。
アリスは青いドレスを着て登場した
。青は彼女の不思議の国を象徴し、
スペインの青い空と地中海を思わせる色だった。
プログラムは:
モーツァルトのアリア数曲
スペインの伝統歌曲(「El Vito」や「Asturias」風アレンジ)
オリジナル「不思議の国の歌」——アリスが作詞作曲した、
ウサギやハートの女王を題材にした可愛らしい曲。
照明が青く染まり、ピアノが優しく響く。
アリスはステージ中央で歌い始めた。
声は最初は少し緊張したが、喉の奥から自由に響いた。
「私はここにいるわ。不思議の国から来たけど、今は音楽の国よ!」
観客(先生方、学生仲間、なぜか帽子屋や三月ウサギまで紛れ込んでいる)は拍手喝采。チェシャ猫が天井からニヤリと笑い、「君の声、消えそうで消えないね」と囁いた。
リサイタル後、教授がアリスを抱きしめた。
「青いドレスがよく似合う。君の喉はもう、スペインの太陽のように輝いている
。これからも歌い続けなさい。」
アリスは満足げに微笑んだ。
「ありがとうございます。次は本物のオペラの舞台で、女王様役を歌いたいわ!」
——こうして、不思議の国のアリスは、
スペインの音楽大学で本物の歌い手への道を歩み始めた。
喉を見せる試験は少し恥ずかしかったけど、
それが必須の大学だったから、それは承知ずみだった、、、
アリスはしばらくオペラ歌手を続けようと思った。


