イソッタの温かい料理
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- 5月19日
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春の終わりの夕暮れ。 窓からやわらかな風が入り、
小さな白いカーテンをふわりと揺らしていました。
イソッタは、レースのエプロンを結びながら
木のテーブルの上に並べた材料を見つめていました。
ころころとした青豆。 オリーブオイル。 レモン。 黒胡椒。
そして――香ばしく焼き上げる、ティボラ風チキン。
「今日は、心が元気になる料理を作りましょう」
イソッタはそう言って、小さな鍋にお湯を沸かしました。
青豆をさっと茹でると、 鮮やかな緑色が、
まるで春の宝石みたいに輝きます。
そこへ、 刻んだ玉ねぎ、 少しの岩塩、
オリーブオイルをたらり。
最後にレモンをきゅっと絞ると、
キッチンいっぱいに爽やかな香りが広がりました。
「イタリアではね、 青豆の温サラダは、“春を食べる料理”って言う人もいるの」
イソッタは木のスプーンで優しく混ぜながら、 嬉しそうに微笑みました。
その隣では、 ティボラ風チキンが
じゅう♪じゅう♪

音を立てています。
にんにく、 ハーブ、 白ワイン、 そして香ばしい焼き色。
皮はぱりっと、 中はふっくら。
焼き上がる音は、 まるで小さな音楽会のようでした。
すると窓辺にいた白い猫が、 香りにつられて近づいてきます。
「まだですよ〜」
イソッタが笑うと、 猫はしっぽをゆらゆら。
やがて料理が完成しました。
緑の青豆サラダは、 温かなお皿の上でつやつや光り、
ティボラ風チキンは黄金色。
イソッタはキャンドルを灯し、 静かな声で言いました。
「疲れた日ほど、 温かい料理は、心を元気にしてくれるの」
外では夕焼けが、 オレンジ色に街を染めています。
その小さなキッチンだけは、
まるで不思議の国のレストランみたいに、
優しくて、 お腹も心も温まる場所になっていました。
つづく
解説
グリーンピースをメインに使ったお料理は
日本ではあまりみかけません。
イタリアでは
グリーンピースは、白玉ねぎと一緒に同じ鍋で
調理します。おいしいベーコンの小片を加えることも。
家庭料理では定番メニューです。


